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野崎 剛右 Koske Nozaki, リコーダー

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2020年 03月 10日

指の骨格とリコーダーの指づかいについて

ある生徒さんから、ご質問をいただいたのですが、
興味深い内容でしたので、シェアさせていただきます。


ご質問

こんにちは。
疑問に思ったことがあります。

リコーダーの演奏で指を動かす時は、
PIP関節(俗に言う第二関節)か、
MP関節(指の付け根の関節)か、
どちらの動きを意識した方が良いですか?

私はMP関節、演奏仲間のAさんはPIP関節、それぞれ違う関節を意識をしているようなのです。

おそらく、Aさんはフルートのキーの押さえ方、私はユーフォニアムのピストンの動きのクセがあるため、この様な相違があるものと思われます。

野崎先生のご意見としては、どちらでしょうか、やはりPIP関節ですか?

指の骨格とリコーダーの指づかいについて_a0236250_2346153.png
私の返答

 まず、”PIP関節”、”MP関節”という医学用語での関節の名称を私は知らず、たいへん勉強になりました!
 どちらの関節を意識して動かしたからといって、指を上げる動作・指を音孔に下ろす動作自体は、必ずしも見て分かるほど変わりませんが、あえてどちらかを意識して動かすのなら、という仮定でお答えします。

 個人の意見としては、通常の奏法(単純に指の上げ下げの運動)の場合には、MP関節からの動きを意識すると良いと思います。瞬発的な動きにはそのほうが適しているからです。
 例えば、バグパイプ奏者や、アイルランドの伝統音楽のフルートやホイッスル奏者は、楽器自体が細いということもありますが、その伝統的な装飾法で活発な運指が求められます。彼らは中節骨(画像で青の部分)の場所で音孔を塞ぎ、指を高く上げて演奏します。つまり彼らの場合、基本的にMP関節からの運動なのでしょうね。(※ホイッスル奏者の中には指先で音孔を塞ぐ奏法の方もいらっしゃいます。)
 
 ただしリコーダーの場合管体は太く、多くの奏者は末節骨(紫の部分)の位置で音孔を塞ぐので、指を高く上げ過ぎてしまうと、音孔に下りるまでに時間が掛かり演奏しにくくなってしまうので注意が必要です。

 一方、リコーダーで、ダブルホールを半開にするときは、指は(奏者から見て)横方向の動きになるので、PIP関節からの動きをより意識した方が良いです。シングルホールの穴を半開にするときや、現代作品でグリッサンドをするときにも、同様にPIP関節から動かすとより精密な動きができるように感じます。特にシングルホール半開ではダブルホールの場合よりも可動域・運動量が少ない、より小さな動きになります。
精密さが求められる反面、慣れるとこれはエコであって、むしろ楽に感じてきます。


野崎剛右(リコーダー奏者)


参考までに、アイリッシュ・ホイッスル、イーリアン・パイプ(アイルランドのバグパイプ)、
ボーダー・パイプ(イングランドとスコットランドの国境付近、ボーダーのバグパイプ)の演奏動画があったのでシェアしますね。

Fred Morrison, Michael McGoldrick and Donal Lunny





by koske-p-nozaki | 2020-03-10 02:30 | リコーダーに関する話題 歴史的運指など | Comments(0)


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